アメリカ大統領選の行方!       トランプ合衆国が続くのか、それとも、アメリカ合衆国が自分を取り戻すのか?     〜日本、中東、アメリカとの関係とその影響について〜

アメリカ大統領選挙の投票終了まで残り数十時間を切った。

今回の大統領選挙は例年以上に世界から注目されているが、トランプ政権下の4年弱の間に、アメリカと国社会の分断とその溝が目立っていた。

アメリカのトランプ大統領がツイッターを利用して攻撃することを「トランプ砲」と言うそうだ。

連日のように伝えられるアメリカ大統領選挙の行方とそのトランプ砲に揺れる世界情勢を前に、私は数年前にベストセラーとなった「国家の品格」という本を思い出した。その中心のキーワードとなった「品格」は考え深いものである。

「情緒」とは、字義通りの喜怒哀楽のような意味ではなく、例えば、アメリカの場合は「人を差別しない、相手を受けいれる気持ちなどといった、教育によって培われるもの」で、また、アメリカ品格の有する「形」とは、「主に、多様に共存共生などからくる行動基準」という。

しかし、今のアメリカでは、トランプが掲げる新しい論理とその理屈「アメリカファースト」が席巻する世界は、今はまさしく「国家の品格」ならぬ「人間社会の品格」が揺れている状況のように思えてならない。

トランプ流の「マッチョ論」では、その詭弁が通っていれば、いかに非道なことでも「良し」とする。そして最近の国民はなぜかそれを受け入れやすい傾向にあるように思える。例え、それが「黒人などの人種や他宗教、民族への差別や蔑視」であっても、である。

トランプ政権下の日米関係では、逆に日本は日アメリカの同調要求の圧力に屈せず

国際社会において、その反動で、独自の色を出すきっかけとなる。

 

一方、バイデン候補と民主党政策は、オバマ大統領のころと同じように日本にさらなる同調を求め、迫ることになると予測できる。

 

日米関係を男女関係で例えるなら、「すれ違うばかりの仲」だった。米国という「女性」に対し、「男性」である日本。トランプ大統領と日本の関係は、まるで「性格の違う二人の男女が、それぞれが自立していて自分を持っている。

 

一方、バイデン候補が大統領となった場合では、アメリカと日本に例える二人の男女の一人(アメリカ)が「俺について来い」と相手(日本)に同調圧力をかけ、すれ違う仲のような関係になる可能性が高い。

 

日本、中東、アメリカとの関係とその影響について

中東地域の官民はアメリカ大統領選の結果を過剰なほどに注視している。その理由は利害関係がらみで様々なのだが、とにかく、アラブ中東地域の殆どの首脳は、そのほとんどにとっては、トランプ大統領の存在を、「社会の倫理や品格に反しても、やってくれる人、利害関係の下話のできる大統領」として見ている。

全体主義の多いアラブ中東地域の各国の首脳たちは、自分たちの政権を維持し続けるためにも「トランプ大統領が勝って欲しいと望んでいる、という利害的関係も背景にある。

トランプが勝利すれば、現在の中東地域の様々な政策や状況が続行することになる。当然ながら日本もその影響を受けることになるだろう。例えば、イランとの関係と核合意の見直しがその一例となる。

 

現在、アメリカから厳しい制裁が課せられているイランは、トランプの勝利が確実となれば、態度を一変させアメリカとの関係改善に歩み寄ることになるだろうと予測できる。

 

これによって、アメリカのイラン産原油全面禁輸が緩和されるか解除され、現在、冷え込んでいる日本の対イラン外交や経済関係も改善されると共に、日本企業もイランからの原油輸入を再開できる可能性が高い。

もちろん、バイデン候補が勝利した場合でも、方法論は変わるかもしれないが、結果的には、日イランの外交や経済関係が改善され、双方による信頼関係を取り戻せることになると見られる。

 

イスラム世界との付き合い方にも変化を!

トランプ大統領の流儀には潔いとも取れる一面があ

ると言える。彼はダブルスタンダードで物事を通すのではなく、自身の我流による単一スタンダードを貫くことを軸としている。

ただ、彼のその論理は、「アメリカの言うことを聞かなければ、どうなるか」といった目線だ。「色々な移民を受け入れて互いの違いや個性を認めあえる共同体を作るなど」といった理想的で懐の深いモデルであろうとするアメリカとその国民が本来持ち合わせている「品格」とはほど遠いものである。

もちろん、アラブ中東地域各国もまた日本もアメリカのいうことを聞かなければならない相手の一人である。

イスラーム世界への理解がアメリカや日本にとってだけでなく、世界の多くの地域にとって喫緊の課題であると言えよう。

今のトランプ合衆国の政策では、アメリカ国内外のイスラム教徒との間に壁ができており、イスラーモフォビアが広がっている。その代表的例は、トランプ大統領のイスラム教徒への差別的な発言である。

トランプ政権下の4年弱の間に、移民やイスラム教を敵視するトランプ大統領の言動は、内外に不寛容な空気をまき散らした。アメリカ国内のイスラム教徒住民は差別の被害者となったが、逆にトランプ流の排除と分断の政治に共鳴する人も増えている。

トランプ大統領の進める政策とその考え方を一言で表現しようとすれば、「壁」という言葉以外にふさわしいものはないだろう。

一方、バイデン候補はその壁がもたらす「分断」を国内外に解消することを訴えている。しかし、仮にバイデン氏が大統領選挙に勝利すれば、アメリカと国際社会、ひいては、アラブ中東地域の社会との分断は解消へと向かうのだろうか。残念ながら、その可能性は必ずしも高くないように思われる。

しかし、そもそも「壁」というものには、一つにつながっているものを分かれ分かれに切り離すことといった機能的面もあれば、一方で、人とその空間を内側に守る面もある。大衆人気も高く広く知られているアメリカの偉大な詩人である「ロバート・フロスト氏」の残した詩にはこんな一節がある。

「もし壁を作ることとなれば、その前に、自分自身にこう尋ねなければならない(確認しなければならない)。自分が今作ろうとしているその「壁」では、何かを分離させる為の存在なのか、それとも、壁のその内側に人を守る為の目的なのか」と。

 

世界各地で増え続けているイスラム教徒は無視できるような存在ではない。

日本としては、逆に、トランプ路線よりバイデンが進めるイスラム世界との対話政策に近い路線を選び、これまで以上にスムーズにその市場を掴み、大きなビジネスチャンスを生み出することができることになると考えられる。

 

また、トランプ政策とは異なり、日本におけるイスラム教の理解の広がりは、インバウンド旅行を引き金に、イスラムの国々との付き合いに拍車がかかる状況にもつながる。

 

また、広範囲の地域にわたるイスラム教徒の人材や労働力の市場として考えると、少子高齢化による日本の労働力不足問題の対策にも一役を買うことになるかもしれない。

 

そういう意味では、トランプより、バイデンの方が、日本の対話的路線という考え方で一致できる。

 

 

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